真夜中のプロジェクト

国立研究開発法人ジプシーのぼんやりした日記

四畳半神話大系(読書感想文)

森見登美彦

 

劇場版公開記念で平積みになっていたので購入。

以前ノイタミナでアニメ化していたのはあまり見ていなかった。

 

作者が京都大学出身者なので京都の街並みが舞台で地名がいろいろと出てくる

きっと地元の人ならイメージしやすいんだろうな等と思いながら読んだ。

 

4話構成の平行世界モノで細部を一寸づつ変えているけど冒頭は毎回同じなので読み飛ばし可能で読了するまでの時間は早め。

 

覚えていたアニメのキャラクターがイメージされて一寸読みやすかった。

 

映画サークル「みそぎ」とかソフトボールサークル「ほんわか」とか

秘密結社「猫飯飯店」とかその下部組織で講義のレポートを代わりに作成してくれる「印刷所」とか大学8回生の怪人「樋口師匠」とか、主人公の「私」が嫌う小津もとても魅力的。

 

主人公は現状になにかと不満があって(大学3回生だし若者特有のあれ)何とかしたいと思いつつ悪友の小津に付き合って流されてしまったり怪しげな占い師に見てもらったりしてるけど、おっさんになってしまった読者の私からするとどの生活もとても大学生らしくて楽しそうでとても羨ましい。

 

図書館警察なんて権力を振りかざして偉そうにできてとても楽しそうだし

「ほんわか」は実質宗教勧誘サークルだったのであれだけど、8回生の樋口師匠の何の弟子だかわからないけど弟子とか意味わかんなくてそこが楽しそうじゃん。

 

巻末の解説を読んでみて確かに小津の方が主人公よりも究極の至宝と呼ばれる「薔薇色のキャンパスライフ」を謳歌している。オートロックのマンションに住み、可愛い彼女を作り、どんなサークルにも顔が利き、樋口師匠みたいな怪人の弟子になり闇鍋を食べたりとか。

 

主人公が樋口師匠に弟子入りする話が一番読者の私には魅力的に感じて面白かった。

こんな人が居る大学でもう一度20代に戻って学生生活をしてみたいなぁ・・・

(おっさん病)