真夜中のプロジェクト

国立研究開発法人ジプシーのぼんやりした日記

夜は短し歩けよ乙女(読書感想文)

森見登美彦

 

四畳半神話大系を読み終わったので引き続き読んだ。

樋口師匠など数人被る登場人物(というか小津は出てこないし、後は羽貫さんだけか)

はイメージが判りやすくて良い。

 

京都の街並みを想像させる文章で主人公の男先輩(名前なし)と黒髪の少女後輩(名前なし)が段落ごとに入れ替わって主格となる文章は慣れるまでわかりにくかったが慣れてしまえばテンポが非常に良くサクサクと読めてしまった。

 

読んでいる時のイメージはどうしても四畳半神話大系の主人公の彼と明石さんとダブってしまう。

四畳半では、成就した恋話が全く明かされないのでその埋め合わせの様にも感じた。

一寸ディティールは違うけどね。

 

学園祭真っ盛りの中錦鯉のぬいぐるみを背中につけて歩く少女と、とにかく偶然を装って彼女の前に現れ続ける外堀を埋める涙ぐましい作戦は最後には実を結び新たな試練へと旅立つのだった(だったか?なかなか古めかしい洒落た表現が多いのが作者の特徴)

 

 

新装版の文庫は解説が羽海野チカで文章ではなく彼女のイラストなのでそこもまた楽しい。