真夜中のプロジェクト

国立研究開発法人ジプシーのぼんやりした日記

スロウハイツの神様(読書感想文)

辻村深月

 

ハケンアニメ文庫版の対談ページで作者が以前に書いたクリエイターの話だと言っていたので買ってみた。文庫だと上下巻。

 

椎名町に伝説のトキワ荘のようなスロウハイツというクリエイターとその卵が集まるボロアパートが舞台

 

5人のクリエイターとその卵とそれにかかわる人たちのエピソードが続く。

主人公赤羽環とその妹がある事件のせいで姉妹離れ離れで暮らしているので

待ち合わせに使う無人駅の待合室でのエピソードが、最初は突然TVが設置されたり冬にはストーブがあったり、はてはクリスマスケーキを貰ってしまったりと都合の良いエピソードが並ぶんだけど彼女らの境遇が悲惨すぎるので一寸嬉しいことや楽しみがあって良かったねとか素直に感じていたんだけど、ラストエピソードで実はそれらが全部彼女らをみていた言うなれば神様からの贈り物だったのだという事が明かされるあたりで一寸うるっときてしまった。

 

環とコウちゃんはきっとずっとこのままの距離感なんだろうけど幸せになってくれると良いなぁと思いました。