共著というので最近にしては珍しい(知らないだけかも)と思ったのと
現在活躍中の若手作家なのも珍しく感じたので手に取ってみた。
文庫だと上下巻、それぞれの巻末に文庫書下ろしの事前と事後の短編エピソードが追加されてます。
上巻の後半(つまり全編では中盤あたり)から敵の全貌が判ってきて俄然面白くなってきて下巻は一気読みしてしまいました。
山形の地元バッティングセンターでバイトしている30歳くらいの相場時之(義に熱い男で人助けのせいで無駄に借金を背負っている)と平凡な家庭を築いているかと思いきや子供の病気のせいで多額の借金を抱えてその為にグレーな世界に手を染めて副業をしている井ノ原祐の二人がいつの間にか金が必要だというお互い共通の目的(でもそれはお互い言わない)で協力しているうちにお宝だと思って追いかけていた材料が世界同時多発テログループのテロを阻止することになって結果世界を救っちゃうんだけど、そんなことで金は貰えるわけないからどうするんだろう?と思って最後まで読むとちゃんと落ち着いているという素晴らしい読後感でした。
帯にあった「俺たち二人で世界を救おうぜ」というセリフは本編では出てこないのだけれど、まぁ面白かった。