以前読書を通じて知り合った人が三浦しをんをよく読むと言っていたので何となく読んだ(私自身としては舟を編むに次いで2作目、今放送中のTVアニメ風が強く吹いているも毎週楽しみにしてるけど)
以前から女性の描写が独特だなと思っていたので、無知を承知で今回調べたらWikipediaによると女性だったので納得。妹は居てもオッサンの自分には絶対に出来ない独特な描写ができる理由が判って良かった。
紺野キタや今野緒雪のような作品かと思いきや谷崎潤一郎の細雪が原作というかオマージュという感じで、解説によると谷崎潤一郎没50周年の一貫で各方面で活躍されている作家に依頼して書かれた谷崎トリビュート作品の一つだということだった。
物語の語り部が途中で自己主張してきてそれがカラスの集合知である善福丸だったり佐知の死んだ父親だったりするのは最初ビックリしたけど、小説は結局誰かの語り口を利用して書かれないと不可能なわけで、それが主人公目線でなければ神の目線であったりするからカラスの集合知でも死んだ父親の霊魂でも構わないと言われたらまぁそうかと思ってしまった。
最後スッキリ終わるという感じではなく、これからもまだまだ4人で暮らしていくんだろうなというような空気を残して終わるのもこの話ならではであるけど良かったと思う。