真夜中のプロジェクト

国立研究開発法人ジプシーのぼんやりした日記

厭世マニュアル(読書感想文)

・阿川せんり

 

表紙が浅野いにおのイラストだったので手に取ってみた。

帯には森見登美彦の推薦文があったのもなんとなく決め手になった。

 

常にマスクをしていないと落ち着かない20代女子の「くにさきみさと」が主人公

大学を卒業して就職も内定出ていたのを蹴って親戚が店長をやっているレンタルビデオ店でフリーターをしている。

 

マスクをしている理由は周りからいろいろ言われたくないからで、その理由がちょろちょろと出てくるんだけど、そのとらえ方が若者特有という感じで青いなーとか思って読んでた、まぁ確かに中二病発症中だとこんな感じになるよな。

 

主人公の一人称はずっと小学生時代に流行った口裂け女からとった「口裂け」だったが

新年に一念発起して自分にとって面倒くさいと思う周囲の人と関わりを持つようにし始めて結果最後にやっぱり面倒くさくなり自分の気持ちを爆発させて発散させる。その際一人称も「私」になって、面倒くさい人たちとの関係をバッサリ切って一人新天地へ向かう(と言っても全て札幌市内)という話

 

解説は帯を書いた森見登美彦

このデビュー作の賞の選考委員だったそうな、同年代で似たような作風(若者が脳内で物凄い思考を繰り返すとか)なんだな。なるほど。