・風俗という病
雑誌連載を集めたものらしい、地の文(山本晋也の言葉)とインタビューを受けている人の言葉の区別がつきにくくて読んでいて混乱することが多かった。
どっちが語った言葉なのかわからない部分が結構ありました。
前回の東京五輪で筆者は市川崑の映画、(東京オリンピック)の撮影に関わっていたとのことで、その辺の記録が生々しい。
表向きは綺麗で成功したように見える前回のオリンピックも裏側では断水の連続だったとか、開会式の上空で鳩が舞っていたけどそのあとフンを避けるのに選手も観客も大変だったとか、そういう情報はその場にいた本人だからわかることで決してマスコミでは語られない当時の東京の姿だと思いました。
多分次の東京オリンピックもそうなんでしょうね。
貧しい国へ医療支援に行くボランティア医師に聞いた話も興味深かった。
世界規模で見て、人間にとっての幸せとは屋根のあるところで寝られて、その日一日食べるものがあることだということ。
その意味で行くと日本の幸せレベルは異常だし、だから税金も高いんだというような話が書いてあってなるほどと思った。
あとは山谷でホームレス向けのホスピスを経営している人の話も面白い。
ボランティアベースなのにカトリックの教会を回って援助を申し込むとぎりぎり
赤字を回避できるくらいのペースで寄付がもらえる。
マザーテレサの活動もそういったカトリックの金で支援されているらしく
カトリックにはよくわからないけどたくさんの金を動かせる力があるという話は面白かった。
もう少しピンクよりの話かとも思ったんだけど、意外とそうでもなかった。